人は往々にして自分のふるさとの魅力には気づかないものです。
たしかに東京も魅力溢れる文化的な大都会ですが、人や生物の機能や魅力が多様なように都市もまちも多様なもの。優劣などではないのです。
ニセコのパウダースノーは東京には降りませんが、世界の富裕層をひきつけてやみません。和歌山県の世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道には、古代から中世にかけ、本宮・新宮・那智の熊野三山の信仰が高まり、上皇・女院や庶民にいたるまで、旅人の切れ目なく行列が出来た様子から「蟻の熊野詣」と例えられるほど多くの人々が参拝しました。世界遺産登録をきっかけに世界中の旅人は、熊野古道の魅力を知りました。南紀白浜の真っ青な海や真っ白なビーチが見守るワーケーションは、まさに先端IT企業の社員のウェルビーイングや創造性をサポートするものでしょう。そして世界の演劇の聖地富山県南砺市(旧利賀村)は唯一無二の付加価値を地方都市にもたらしています。
昔だったら「辺境」と呼ばれたそれらの地が「新しい価値」に気づいた結果、「ふるさと」が付加価値を生み出し次の世代により力強く継承されていく事例が増えてきています。
東京で働いたからこそわかるふるさとの魅力。第三者だからこそわかるふるさと魅力。企業戦士だったからこそわかるふるさとの魅力。
より良い社会をバトンタッチするためには、人財育成にとどまらず、「辺境」をこの上ない魅力ととらえ付加価値を発掘していきたい。Momathはこのようにも考えています。
御舟祭
和歌山県白浜町日置の「日ノ出神社祭」は地元では「御舟祭」とも呼ばれます。昔の日置は材木の町で多くの製材所とたくさんの機帆船が入港していました。この祭りはその船方の祭りで、商売繁盛を願う為に行われていました。日ノ出神社、八幡浜において、例年10月の体育の日の連休日に行われています。熊野水軍をかたどった神船を若者が勇ましく神社から八幡浜まで運び、汐で打ち浄める荘厳で勇壮な祭りです。「サセ、サセ、ホラサセ」の掛け声と共に激しく上下し、潮掛けの神事を行います。